Free!新動向への所感
感想を言うと夢だ、と思った。
あまりに思い描いていた最大級の理想そのまますぎたから。絵空事だと、夢物語だと諦めていた。
京都アニメーションの典型パターンでは2期の後は映画をやればフィナーレだ。
あとは緩やかな衰退が待っている。
イベント前に告知されている今後の予定は曖昧で「新規映像化・ノベライズ」だった。
高望みすれば失望も大きいから、期待しすぎないようにブレーキをかけていた。
・映像化はOVAを受注生産という小規模な展開かもしれない
・もしかするとイベントはこれが最後かもしれない
そんな絶望すら感じつつ、最近のFree!がやけに宣伝に力を入れていることに一抹の希望を見出していた。
そんな希望と絶望がないまぜになった状態で映画ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-スペシャルイベント
『岩鳶中学水泳部記録会お疲れ様パーティ』に参加したのだ。
ちなみに私は高校時代にFree!と出会い、初めての痛バッグもフィギュアもタペストリーも円盤も全部Free!という女オタクだ。
放送開始から今日まで心血を注いできた、ということを念頭にどうか笑わずに読んでほしい。
イベントは終盤。
宮野真守のビデオレターが何でもないように告げる。
「こちらの映像をご覧ください」
期待に胸が踊りそうになるのを抑えて注視した。
告知内容はこちらだった。
「劇場版 Free!-Timeless Medley- 絆」4月22日全国ロードショー
「劇場版 Free!-Timeless Medley- 約束」7月1日全国ロードショー
「特別版 Free!-Take Your Marks-」2017年 秋 劇場上映決定!
簡単に説明すると
【総集編がハイスピメンバーも含めた新規エピソード入りで劇場版2本】
【新規アニメが高校卒業まで数ヶ月を描く劇場版1本】だ。
夢か?????
だってこんなの期待以上すぎる。
想定を浅く見積もりすぎて正面から殴られて吹っ飛んだ気分だ。こんなことが現実で起こり得るのか。
脳が処理しきれず身体は均衡を失って後ろへ崩れる。息を吸うこともままならない喉は嗚咽を漏らす。
人はこうも自制が効かなくなるものなのか。危うく殺されるかと思った。
情報公開から追加公演までずっと泣き通し、足が震えて5回は転けたのでストッキングが破けた。メイクなんてものはなかった。
大好きなFree!に裏切られたと感じないように、供給が少なくなっても満足できるように、不満も欲も思考から押しやっていた。
旬の過ぎたジャンルだという自覚はある、多くは望まない。未だに供給があるだけありがたい。
それを鈴木達央は『蓋をしていた』と表現した。まさしくその通りだ。
Free!からバトンを繋いだ島崎信長と鈴木達央は、私たちが諦めて言葉にもしなかったわだかまりを、何一つ見過ごしてなんていなかった。
一番制作陣の近くに居るファンとして声を上げてくれたのだ。だってこの日の発言は、ファンが望んでいたことも心の引っ掛かりも全て分かっていた。
わだかまりは2年前のイベントからだった。
華々しく告知された『映画ハイ☆スピード!』に出演が決定していたのは遙と真琴だった。
他のキャラに出番はあるのか、声優がどうなるのか、吉報の中に潜む淡い不安はどんどんと確信に変わった。
Free!から主要キャラクターとして選ばれたのは遙と真琴だけだった。
小学生である渚と怜はやむなく幼少期キャストでの出演となった。
勿論ハイ☆スピード!が一作品として高い完成度を誇ることは私だってとても良く知っている。
数十回は劇場に足を運び、円盤も購入したからこのイベントに居るのだ。
しかしFree!からのファンとしてはどうしても複雑な心境にならざるを得ない。
真琴と遙以外のファンに申し訳なかった。推しの活躍に手放しで喜べなかった。
だってFree!のメンバーも全員大好きなのだ。
Free!シリーズでは絶妙なバランス感覚で全てのキャラクターと関係が尊重されていたが、ハイスピードはその均衡を崩した。
武本監督が「島崎さん演じてこその遙」などと宣うたびに(代永翼が演じてこその渚と、平川大輔が演じてこその怜はいないのか?)と心に靄がかかっていた。
それを鈴木達央は
「平川さんと代永が続投できないのが本当に嫌で、上と大層な喧嘩をしました。
頑張ればあの人たちなら何とかなるはずだ、皆さんを笑顔にしようと作ってきたこのシリーズで悲しませるようなことしちゃダメだ。と思って粘りに粘りました。
この場を借りて言うことではないかもしれませんが、一声優が言っていい範囲を超えていました。
本当にすみませんでした。でも悪いことをしたとは思っていません」
と言ってのけた。
(文面については限界突破の状態での記憶なので内容のみ受け取ってほしい)
平気なフリして迎合することだって出来たはずなのに、ましてこんな公の場で言うことではないだろうに、彼は伝えてくれた。
それは私たちがずっと同じ気持ちでいたことを知っているからだろう。戦っているよ苦しんでいるよと教えてくれた。
お祭りムードの中で言葉にすることを憚られた胸の痛みを、「痛い」と叫んでくれていた人がいたのだ。
救われた、分かってくれていた、私の愛したFree!はちゃんと愛されていた。
私は今まで3年半で"こじらせた"愛と思い出と色んな気持ちが一気に溢れ出して大泣きした。
本当はFree!の後日談が欲しかった。まだまだアニメーションとして続いてほしかった。
そんな色んな気持ちを全て分かっているかのように
「皆言わないけど色んなことを抱えていたでしょ?」
「もう誰も傷つかないよ、みんな幸せになれる」
そう噛みしめるように鈴木達央は言ってくれた。
(心に深く刺さったのが鈴木達央の言葉なのは、推しという事実に加えファンの本音を暴いてくれたからだ、島崎信長も大好きなので本当に申し訳ない。)
イベントの最後に島崎信長と鈴木達央の2人が残って改めて挨拶をしてくれた。両国国技館に集まるファンに360°照らされた2人は、頼もしく美しく感慨深かった。
Free!シリーズを繋ぐ大黒柱。
Free!から続投できなかったキャストのぶん、ファン全員ぶん、この2人が想いを背負っていたんだ。
ありがとうと何度も何度も泣きながら叫んだ。ありがとう、ありがとう、私たちのぶんまで愛してくれて誠実でいてくれてありがとう。
夢だよねと冗談めかして語っていたような最高の形でFree!が再始動する。
青い、青い、夏の奇跡。
彼らの青春であると同時に私の青春でもある。きっと多くの人にとってもそうだろう。
ありがとう、Free!を愛してきて良かった。
Free! 1期はこちら
TOKYO MX1にて深夜1時30分〜放送中
ABC朝日放送にて深夜2時44分〜放送中
1話のみ無料視聴
GYAO! http://gyao.yahoo.co.jp/p/11145/v00001/
その他配信サイト、レンタルショップ、DVD&Blu-rayにて
Free!2期はこちら
TOKYO MX1にて2017年4月2日(日)より午前10時30分〜放送開始
ABC朝日放送にて2017年4月12日(水)より深夜2時14分〜放送開始
1話のみ無料視聴
GYAO! http://gyao.yahoo.co.jp/p/11145/v00002/
ニコニコ http://sp.nicovideo.jp/watch/1404461068
その他配信サイト、レンタルショップ、DVD&Blu-rayにて
いや本当に面白いから今からでも見て